お茶の水授業<Q&A5>深いシワ

2023年5月23日(火)の6回目の授業時にありました質問です。
この日は「深いシワ」が主訴です。

Q.深いシワには、鍼を密に刺鍼した方がいいですか?

A.密に刺入しても正解です。
・授業中のデモでは3本の鍼を横刺してシワの下に潜らせるように刺入しました。
刺鍼箇所は3か所で内出血のリスクも3か所と言えます。
・シワ(がある肌面)に対して直刺(仮に10本)して密に刺鍼するのも間違いではありません。
上記を比べてみると、横刺3か所=内出血と切皮痛のリスク3か所、直刺10か所=内出血と切皮痛のリスク10か所とも言えます。
または散鍼をおこないシワに傷を入れてあげるのも良いです。
※これらを認識しながら、どちらの刺鍼も出来るようになさって下さい。
どういう状況にも対応できる、引き出しの多い鍼灸師となって下さいませ。

因みに、肌面に直刺(90度)して更に密に刺入した場合・・・
見た目は映えます。
ゆくゆく独立開業した時や、被験者の方にご覧いただく写真や動画を撮ることもあります。
どのように刺入方法でも、大前提としてはシワに対する刺鍼(創傷治癒過程を促す)が第一ですが・・・理解しながら映える刺鍼もできるようにすると良いでしょう。

 

Q.深いシワに対する刺鍼で置鍼時間に決まりはありますか?

A.決まりはありません。
即刺即抜をしても、置鍼をしたとしてもシワに傷を入れたことには変わりありません。
「創傷治癒過程を促す」という事ができれば効果の程には大差はありません。
※置鍼する事でフレア反応(血管拡張反射)が発生した場合、創傷治癒のための栄養血とも言えます。

※臨床の場合、被験者の方の満足感というのもあります。
鍼灸師としてご自身が目的どおり刺鍼して創傷治癒過程を促せたとしても、被験者の方がもう少しシワに傷を入れてほしい・・・とご要望があった時、散鍼をし直しても良いと言えるでしょう。

 

Q.シワに直刺する時、使用する鍼は長い方がよいですか?

A.結論⇒長くなくても大丈夫です。
理由⇒お顔の皮膚は約2㎜程度しかありません。
授業ではセイリン社製のJSPタイプの1寸(鍼体30㎜)の01番(鍼体の太さ0.14㎜)を使用しました。
立管して4~5㎜程が鍼管から露出されていますが、これを切皮して入れきった場合、皮膚を通過して皮下組織や筋肉に到達している可能性が高いです。
※真皮層(コラーゲン線維、コラーゲン細胞、エラスチン線維、プロテオグリカンなどが豊富)に傷を入れ、皮下組織にも傷が入り・・・創傷治癒過程を促せれば皮膚の新陳代謝を意図的に促進させる事が可能です。
ゆえに、より長い鍼を用意しなくてはならない、という事はありません。

 

Q.ほうれい線はシワですか?

A.医学的には口角の外側にできる縦の溝(シワ)がほうれい線です。
英語ではマリオネットラインという呼称なのでイメージしやすいと思います。
※一般的には鼻唇溝を含めて「ほうれい線」と扱われます。

 

Q.なぜシワが寄るのですか?

A.表情筋という筋肉が、その名の通り表情をつくり感情をあらわにするためです。
シワの寄り方には法則があります。
「シワに寄せる筋肉の走行は、シワに対して垂直方向に走行している」
●おでこの横ジワ=前頭筋が原因で、走行は額から頭部へ向けて縦方向(横ジワに対して垂直方向)である
●眉間の縦ジワ=皺眉筋と眉毛下制筋が原因の筋肉
眉間の縦ジワに対して皺眉筋は横方向である、眉毛下制筋も補助的にシワを作らている
●ほうれい線はカーブを描くように存在しています
口輪筋の外縁(他の筋肉との吻合箇所)がほうれい線となりやすい
上唇挙筋、小頬骨筋、大頬骨筋などの筋力が低下したり、頬部の脂肪を含む皮膚を挙上しづらくなると たるみとなり皮膚に折れ目がつきほうれい線が発生しやすくなります。
今回の授業では、上唇挙筋、小頬骨筋、大頬骨筋(触知の仕方はデモ動画を参照)に対して刺鍼してみましょう。
※授業では筋肉の走行に対して沿うように、1本の刺鍼でより多くの筋腹を捉えられるよう刺鍼しました。

Q.ほうれい線の原因筋に対する刺鍼の時、最初に切皮だけを済ませ後から刺入したのは何故ですか?

A.ほうれい線(鼻唇溝)がある部位はお顔の正中に近く、切皮痛や刺入痛が発生しやすい箇所です。
今回の刺鍼では、お顔の外側から片側3本⇒
大頬骨筋(顴髎)、小頬骨筋(巨髎)、上唇挙筋(迎香)などの表情筋であり、それらの筋肉の上には脂肪体が多い部位で、刺入が難しい部位です。
仮に、1本目(大頬骨筋)と2本目(小頬骨筋)に刺入までしておいて、3本目の刺入時に切皮痛や刺入痛が発生した時にやや体動した場合、既に刺入済みの2本が痛みの助長となる、または運動鍼のような作用となってしまう事が懸念されます。
この痛みのリスクを避けるため、3本とも切皮させしておけば刺鍼転向法で刺入する角度や方面(頬骨方面へ等)をコントロールしやすくするためです。

 

鍼灸-はりきゅう-サロン イマージュ
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北見成達

 

 

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